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tica interview
       TICA  Johnny Cliche  発売記念インタビュー
lete:ちなみにどんなところが?
武田:石井さんのオケに乗れないというか(笑)難しかったんですよ。もともと曲が難しいなと思ってたんです。多分石井さんが弾き語りで自分で歌ったらできると思うんですけど、私は石井さんではないから石井さんのノリに合わせるのが難しいっていうか。弾き語りみたいには歌えなくて、なかなか慣れられませんでした。
lete:わかってはいるんだけれども
武田:そうです。
lete:慣れに辿り着くのにはコツがあったのですか?
武田:いや、コツなかったです。練習するだけでした(笑)はい。
石井:この頃の方が(LIVE02JUL2005を指して)イメージが持ててたよね、多分。
武田:そう、それすごく気に入っていて。
石井:Johnny ClicheもSunday Afternoonも、この時には音楽的にはキーが半音低いから、今より低い声で歌えているっていうのは単純にあるんだけど、でもそういうんじゃなくて何だろうな、理解力がこの頃の方があったっつうか(笑)
武田:ふふふ(笑)
石井:結局パフォーマンスとして、例えばこのライブは(LIVE02JUL2005)偶然なのかもしれないけど。
武田:あとね、その頃は結構どのライブも割と良かったんじゃないかな、って気がします。新しいTICAに変わった時期で、事務所もなくなって、これから本当に自分達の好きな事だけをやって行けるっていう、何か新しいものに向かってゆく希望とかワクワク感ってものがあったんでしょうかね。
lete:そういう気持ちの影響は大きいですよね。
武田:大きかったと思います。精神的なものが結構大きかったんじゃないかと思います。
石井:でも確かにこの時期はそういうのあったよね。
lete:いい時期だったのですね。
武田:そうですね。
lete:次に7曲目に入っていますI Shot The Albatross ですが、こちらはカバー曲ですか?
石井:カバーです。
lete:曲を聴いて気に入られて?
石井:そうですね、すげえいい曲だなと思って。
lete:あまり有名なバンドじゃないですよね?
石井:全然有名なバンドじゃないみたいですね。
lete:どこでお知りになったのですか?
石井: CD屋さん。
lete:偶然?
石井:偶然ですね。たまたま店で展開してて視聴機に入ってたんですよ。グラスゴーのバンドでアルバムは2枚しか出てないのかな?その2枚は一応買いましたけど、その後どうしてるかは分かんないですね。
lete:ああ、そうでしたか‥ではアルバムに入ってる他のカバー曲について、まずThe Velvet UndergroundのNew York Telephone Conversationですが、ロマンティックな前曲Room105からの流れもあり、パッと明るく花が咲いたような印象でした。原曲を忘れる程ぴったり嵌ったアレンジに感動しましたが、どのようにアレンジされたのですか?
石井:これもコンピに参加する為にTICAで一曲作ったもので、以前からこの曲をやってみたかったっていうのがあって。アレンジのアイデアは朧げながら昔からあった。
lete:マニュエルさんの影響はありましたか?何かあれば具体的に
石井:影響はあった。TICAとは別に二人でやってるグループがあって、それは二人でせーのって一緒に曲を作っていくのですね。だから具体的な影響は、その際のやりとりから受けたかな?あんまりそうやって作らないから、普通。
lete:お一人で作られる事が多い?
石井:でしょう。だってなかなか面倒臭いじゃないですか。人と一緒に作曲するっていうのは。例えば、それぞれに俺はAのパートを家でつくってきたからお前Bのパート作ってこいよと。で二人合わせて開陳して、何かしらのマイナーチェンジやブリッジになるパートなどはその場で共同で作曲する、などの作業はあるのかもしれないけど、基本的には作曲っていうのはさ
lete:ひとりで
石井:うん、でしょう。マニュの音楽の作り方や、構造としての音楽の捉え方などには影響を受けました。
lete:New York Telephone Conversationの歌声が無垢な少女のようで新鮮ですが、その辺りは
武田:あれはね、石井さんからのリクエストとしては、何かあんまり、、、。私ね、最初歌った時に、面白おかしくっていうかちょっと気楽な感じで歌ったんですけど、そうじゃなくてもっと感情を入れないで歌ってって言われたんです。でもその気楽な感じがちょっと残った結果そうなったのかもしれない。マニュも一緒に、その後歌を歌うから、その役割はマニュもやるから。私はベーシックな部分をきっちり歌うのが、いいんじゃないっていう事だったんです。
石井:武田が歌入れする段階にはもうほとんどオケができてる訳だから、その中でこれはこういう風になるべきというのが、もう見えてる訳ですよ。それで実際に武田が歌ってみて何か自分のイメージと違うかんじだったら言うっていう。
武田:でもあれね、2、3回くらいパッとやって終わりました。
lete:そんなに早く
武田:そんな感じでしたよ。
 
lete:2000Miles ,Birthday ,Femme Fataleを歌っているクリッシー・ハインド、ビョーク、ニコはとてもアクの強い声で独特の歌い回しをする女性アーティストですが、カバーしにくくはないのですか?
武田:全然やりにくくないです。それがやりにくくないんですよね、私。
lete:素人考えで言ってしまうと、印象に残って真似してしまうというか
武田:そう。それは最初は真似しちゃうんですよ、絶対。でもFamme Fataleはエブリシング・バット・ザ・ガールのトレーシー・ソーンバージョンをやっぱ真似してます。いまだにそうです。でも私彼女の事が大好きだし、彼女の歌は割とそうなりたいなって部分もあるので、それはそれでいいと思っていて。
lete:インスパイアというか
武田:そうですね、で他の曲はライブで演奏しているうちに元々のバージョンっていうものを忘れちゃって(笑)ずーっと歌っているうちにそんなに意識せずとも、自然に忘れて行って。だからやり難い事はないですね。
lete:それは本当に才能だと思います。
武田:いや、考えすぎないから(笑)こうなっちゃうっていうか。
lete:それは訓練してできるようになったのですか?
武田:最初からだと思います。それは。
lete:高音やサビでつい高らかに歌いたくなったりはしないのですか?
武田:あ、します。
lete:そういう時、どうされるんですか?
武田:ライブでそうしてます。レコーディングの時は、高らかに歌うよりは割と抑えて歌う方が好きなので。でもライブの時って抑えられなくなる時があるので、そういう時はもう歌っちゃいます。
lete:自分で聴いて好みだなと思うのは、抑えた方なんですか。
武田:うん。やっぱり曲に合ってるなって思うのはそうですね。あまりやりすぎない方が好みです。
lete:それは石井さんも同じでしょうか?
石井:うーん。それがちょっと変わってきたんですかね。そもそも「抑えめ」とか「高らか」っていう発想では考えたことがないですけど。最近は「高らか」というか歌いあげる方がいいんじゃないって気がする。だからキーが半音上がったりとか。
lete:気が付かれていました?
武田:高らかな方がいいっていうのは気付いてないです。キーは勿論気付いてました。
lete:カバー曲を選ぶ時に好き嫌いの他に基準はあるのですか?
石井:うーんと、一番重要なのはメロディーが強いっていうか、ちゃんとしてるっていうか。それは絶対条件なんでしょうね。
lete:強いというのは
石井:ちゃんといいメロディーだってことですね。
lete:曲の構成やコード進行などは
石井:歌のメロディーだけの話。コードとか構成はアレンジする際に全部変えるから、歌メロが良いか悪いか。基本的にはね。
lete:今回のアルバム「Johnny Cliche」制作の時に、特に気を付けた事があれば教えてください。
石井:そうですね、まず「隙」「間」を作る事ですかね。それでいて濃密な「空気」を作ること。そしてある種の人なつっこさやユーモアや意外性を持った作品にすることでしょうか。
lete:音の響きや曲のコードについては
石井:和音やメロディーといった音の響きは、クリシェ的な安定感と多少の冒険心とのバランスをとりつつ、自分にとって退屈でないようにしましたね。コード(和音)が変わった瞬間に、パッと色が変わるような印象を持てるようにということでしょうか。
lete:TICAを結成してもうじき10年になりますが、長い間モティベーションやクオリティーを保ってこられたのは素晴らしい事だと思います。その理由は何だと思われますか?
石井:そういう風に思ってないもん。
武田:思ってない。いや全然もう。
石井:1ミリも思ってないですね。
lete:1ミリも‥
石井:ええ、ないですね。
lete:ないですか?そのポテンシャルの高さですとか、作品のクオリティーっていうのは素晴らしいと思いますが‥
石井:いや、いつも不満だよね。
武田:そうですね。
石井:たいがい、ま、1年に数回いいライブだったなと思える日があるかないか
lete:そんなに少ないんですか‥
石井:極端に少ないですね。
lete:その欲求不満がまた先の糧に?
石井:うーん、そういう部分は少なからずあるでしょうけれどね。
lete:高い内容をキープされていて素晴らしいと思うんですけど、それは何か自分を支えている源みたいなものが?
石井:根源的なことですよね。何で音楽やってんのって事でしょう。なんでなんでしょうね(笑)この年になると他にできる事ないからっていうのがね、大きな理由を占めてきますけどね。
武田:ふふふ、そうなんですか(笑)
石井:いやでも転職は難しいって(笑)
lete:そうですね(笑)ニューアルバム「Johnny Cliche」の発売を無事終えた訳ですが、振り返ってみて率直な感想をお聞かせ下さい。
石井:今作は1stミニアルバム(No Coast)の無垢な素朴さと、約10年間の活動歴の中で得た経験が、とてもうまく溶け合った仕上がりになりました。TICAとして初めて顔のある作品を作れたと思っています。聴いてくれる方々の心に深く沁みるような作品を目指して作りました。
lete:ああ、そうですね。私は発売日から毎日繰り返して「Johnny Cliche」を聴かせていただきましたが、一曲一曲が心に残っています。本当に素晴らしいアルバムだと思いました。鼻歌はもう当分TICAづくしですよ(笑)
ではアルバム事はこの位にして、次からは少しプライベートな質問をしたいと思います。子供の頃憧れた職業は何でしたか(笑)
 
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